先週の振り返り५⋆*
◆ 先週の株式&為替相場(前週末比)
日経平均:27,761円(+980円)/
ドル円:130.83円/
NY株式:32,899.70㌦(-313㌦)
◆先週の日経平均株価は大幅上昇、2か月ぶりの高値を付けました。節目となる27,500円を突破し た事で短期的には下げづらく上げやすい相場環境と言えます。
週末には政府内でGo To トラベル を6月末にも再開する案が浮上していると伝わり、鉄道や旅行株にプラス材料となりそうです。
⇒米国株式は前の週に大幅高となった反動で今週はやや失速気味の動きでした。ただ年始から 続いた下落は5月で一旦大底を打ったとの見方が強まっています。来週はFOMC(日本で言う 金融政策決定会合)もある為、基本的には様子見でどっちつかずの相場環境となりそうです。
(資金の流れ)
ハイテク株 ⇒ 鉄道、旅行関連株
円 ⇒ 米ドル
注目トピック
◆岸田政権の経済政策が大転換!? …富の再分配から成長重視へ
5月31日に政府が公表した2022年度の骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針)原案は、経済政策 が経済のパイを広げる成長重視へと軌道修正されたことを示しています。中身を確認してみます。
【貯蓄から投資の流れ加速…】
「人への投資」や「グリーントランスフォーメーションへの投資」など中長期的・計画的な財政支出を行う 旨が明記されました。政府主導のもと官民一体で投資促進を図る計画です。
またNISAの拡充やiDeCo制度の 改革、国民の預貯金を資産運用に誘導する新たな仕組み創設など、貯蓄から投資へのシフトを大胆・抜本的 に進める方針です。個人金融資産をリスクマネー化する事で、企業の成長や経済の活性化を促す狙いです。
【遠のく黒字化…】
逆に大きな懸念材料として浮上してきているのが、財政拡張傾向の強まりによる財政規律の更なる低下です。
新たな借金を増やす路線な一方、プライマリーバランス黒字化(国の家計簿黒字化)の目標は盛り込まれま せんでした。新規国債発行の増加は、将来世代の需要を前借し奪うことになります。それは将来に渡る成長 期待を低下させ、企業の投資・雇用・賃上げをより慎重にさせ日本経済の潜在力を押し下げてしまいます。 そういった意味でも歳出と歳入の一体改革を進め、しっかりとその財源を確保してから実施することが重要 と言えます。成長戦略の有効性を損なわないためにも、財政健全化への取り組みにも期待したいところです。
⸜︎⸝今週の話題⸜︎⸝
◆香港不動産神話、崩壊の時を迎えるのか?
【解説】
世界で最も割高な不動産市場と言われる香港ですが悲観的な見方が広がりつつあります。米金融大手のゴー ルドマンサックスが香港の住宅価格は需要低迷で22~25年に20%下落するとの予想を出したことも話題です。
【ポイント】
香港の住宅価格は過去20年間で449%上昇しました。低金利の恩恵を受け民間住宅ローン金利は2%を維持し てきました。ただ世界的な利上げで不動産購入の魅力が低下しており、住宅ローンも今後上昇する見込みです。
【今後の影響】
利上げに加えて、コロナによる渡航規制や中国政府が導入した香港国家安全維持法も大きな足かせとなってい ます。香港住民の一部は台湾など近隣諸国に移住する動きも出ており、脱香港の流れが加速していきそうです。