先週の振り返り५
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◆ 先週の株式&為替相場(前週末比)
日経平均:27,824円(+63円)/
ドル円:134.56円/
NY株式:31392.79㌦(-1507㌦)
◆先週の日経平均株価は小幅の上昇でした。訪日外国人受け入れ拡大を見越してインバウンド関連 が買われたほか、円安が急速に進行したことで輸出関連株が上昇しました。
ただ週末にかけては ECB(欧州中央銀行)が7月利上げを表明した事で欧米株が崩れ、日本株も連れ安となりました。
⇒週末に発表された米国の5月CPI(消費者物価指数)は前年同月比8.6%と40年ぶりの大幅な 上昇率でした。インフレ加速を受けて14~15日のFOMC(金融政策を決める会合)では通常 の3倍となる0.75%の利上げが予想されています。金融引き締め懸念で株安となっています。
(資金の流れ)
ハイテク株 ⇒ 輸出関連株、旅行関連株
円 ⇒ 米ドル
注目トピック
◆四半世紀ぶりの安値が近づく円安!? …円安はプラスかマイナスか
先週のドル円レートは134円台半ばと、2002年以来20年ぶりの水準まで円安が進みました
2002年の 高値1㌦=135円15銭を超えると、1990年代以来24年ぶりの円安となります。国内への影響は…
【まだまだ円安見通し…】
外国為替市場参加者へのアンケートによると54%が「円安トレンドは終わっていない」と回答しています。
利上げペースが加速すると見られる米国・7月から利上げに転じる欧州に対し、日本のみ低金利を継続させ るため金利差拡大による円独歩安(=円だけが安い)の環境となりそうです。
また仮に日本政府が円安是正 に動こうとしても、唯一持っている為替政策の手段である為替介入(円買い介入)は米国の賛同が得られな い為使えません
今後もますます円安への備えが必要となってくる環境と言えます。
【円安はプラス?マイナス?…】
円安が日本経済にプラスかマイナスか、というのは判断が難しい所です。日本銀行は為替の過度の変動は望 ましくないとする一方、円安自体は基本的には経済にプラスとの判断で、円安抑制の姿勢を見せていません。
一方経済同友会が発表した「円安が日本経済に与える影響」についての調査によると、企業経営者の7割強 がマイナスの影響(ややマイナスの回答含む)と答えています。
国民生活においても食料品の6割強、エネ ルギーの9割弱を輸入に頼っているため円安による家計の圧迫という面でマイナス影響が強いと言えます
⸜︎⸝今週の話題⸜︎⸝
◆まだまだ上がる?この夏、小麦の値段から目が離せない
【解説】
日本では95%を輸入に頼っている小麦(小麦)、世界の小麦輸出3割を占めるロシア・ウクライナの生産が激減している事で国際価格は過去最高値を更新しました。そして更にこの夏はもう一段の価格上昇が見込まれます。
【ポイント】
要因は世界的な干ばつ。米テキサス州では例外的な干ばつに見舞われており小麦収穫が大幅減少する見通し。
また生産大国のインドでも強烈な干ばつにより国内消費分を確保するため小麦輸出の停止を発表しています️
【今後の影響】
小麦価格の高騰は世界的な食糧危機に繋がります。また日本国内では円安進行とのWパンチでさらに影響が大きくなります。
小麦由来のパンや麺類、お菓子類は1月の値上げに続き、7月にも8%程度上昇する見込みです