先週の振り返り५⋆*
◆ 先週の株式&為替相場(前週末比)
日経平均:28,175円(+374円)
ドル円:135.14円
NY株式:32,803.47㌦(-41㌦)
◆先週の日経平均株価は小幅ながら上昇となりました。週前半はペロシ米下院議長の台湾訪問によ る米中関係の悪化が警戒されましたが、金曜に節目である28,000円を上回った所で買いに勢いが つき尻上がりの上昇となりました。ただ、さらに上昇するかは米国の金融政策次第と言えます
⇒米国株式市場では週末の米雇用統計発表をきっかけに景気後退懸念が和らぎ、景気敏感株や 金融株が買われました。一方金利上昇に弱いハイテク株は下落しており、日本でも同様の展 開が予想されます。また4-6月期の決算発表により好業績の銘柄に買いが集まりそうです。
【資金の流れ】
ハイテク株 ⇒ 景気敏感株
円 ⇒ 米ドル
注目トピック
◆最低賃金が過去最大の引き上げ!? …それでも続く生活費の圧迫
厚生労働省の中央最低賃金審議会により2022年10月に適用となる最低賃金の目安が提示されました。
政府は2025年度に全国平均で時給1000円以上の達成を目指していますが、雇用面での課題も残ります。
【過去最大の賃上げも…】
2022年度の最低賃金(全国平均)が前年度比3.3%増の時給961円に決まりました!
31円の引き上げは 時給で示す方式になった02年度以降、過去最大となっています。「人への投資」を掲げる政府・与党からは 称賛の声も上がっていますが、一方で実状と照らし合わせて力不足との指摘もあります。今春以降、食品や 日用品の値上げが相次ぎ、年内に消費者物価上昇率は3%台に乗るとの予想もあります。インフレ分も加味 すると実質的な購買力はほぼ変わらない為、生活費の圧迫は依然として続くと見られています
【海外に遅れる日本…】
海外ではイギリスが4月に最低賃金を6.6%引き上げており、ドイツも10月に14.8%引き上げる予定です。 インフレへの対応を急ぐ各国に比べて日本は大きく見劣りします…
背景にあるのは最低賃金を上げすぎると 失業が増えるとの懸念です。日本の中小零細企業は最低賃金が上がると雇用を絞る傾向にあり、雇用維持のために賃上げを抑制してきました。
この
雇用か、賃上げかの
二元論は毎春の賃金交渉で繰り返されてきた 構図ですが、雇用のみでなくどちらも追う方針に転換しなければ国際競争力の低下にも繋がると言えます。
⸜︎⸝今週の話題⸜︎⸝
◆プチ富裕層の増加で高額品が売れている?
【解説】
リベンジ旅行などに沸く米欧と比べ日本国内の消費は依然として低調なままです。そんな中で今までは一部の 富裕層向けだった高額品やサービス需要が高まっています。コロナ禍で貯蓄を増やしたプチ富裕層が要因です。
【ポイント】
コロナ禍で消費したくても出来なかった分が高額消費に向かっています。
ホテルのリゾート会員権やゴルフ会 員権はいずれもリーマンショック後の最高値をつけ、百貨店では高級腕時計の販売が3割程度増加しています。
【今後の影響】
日本では富裕層向けビジネスが手薄と言われますが、いま裾野を広げておけばいずれ外国人の訪日観光が回復 してきた際に世界の富裕層の需要を捉えられる商機にもなります。日本経済の下支えとして期待が高まります。