先週の振り返り५
◆ 先週の株式&為替相場(前週末比)
日経平均:27,899円(-364円)/
ドル円:140.35円/
NY株式:33,745.69㌦(-2㌦)
◆先週の日経平均株価は小幅安となりました。週初に寄与度(日経平均に与える影響)の大きい ソフトバンクGが決算を材料に急落した事が要因です。
火曜日以降は半導体関連やインバウンド 関連が買われるなど底堅い動きとなり、月曜に大きく下げた後はほぼ横ばいの動きとなりました。
⇒米国ではCPI(インフレを測る指数)の上昇率が市場予想を下回るなど、ようやくインフレ に陰りが見え始めてきました。
これによりFRB(日本で言う日銀)も利上げペースを緩める と見られており円安が一旦落ち着きそうです。年末は1㌦=140~150円と予想されています。
【資金の流れ】
グロース株 ⇒ インバウンド関連株
円 ⇒ 米ドル
注目トピック
◆日本のインフレ率は4%も視野に!? …賃金上昇は限定的か
円安などの外部的な要因により、日本でも輸入品を中心に様々な物の値段が上昇しています。
物価上昇率 も日銀の目標とする2%を超えてきましたが、これが安定した経済成長に繋がるかは疑問が残ります。
【40年8か月ぶりのインフレ…】
総務省が11月18日に発表した10月分消費者物価統計でコアCPI(生鮮食品を除いた指数=一番重視される 指数)は前年同月比+3.6%となり、第2次オイルショックの1982年2月以来、40年8か月ぶりの高水準と なりました
米国などではインフレ上昇率にピーク感が見られますが、日本のピークは後ズレすると予想さ れており12月にはコアCPIは+4%に達すると見られています。
一方、インフレが継続していることから 来年の春闘(労働組合による全国的な賃上げ交渉)では賃上げ目標が引きあがっています。
【労働生産性が上がっていない…】
ただし海外市況高や円安の影響を受けた一時的な物価上昇の効果で仮に賃金上昇が起きたとしても、限定的 になると見られています
要因は日本の一人当たり労働生産性が上昇していないことにあります。
本来日銀 は、賃金と物価の好循環が生じることで2%の物価上昇率が安定的に達成されることを目指しています。
過去を振り返ってみても、賃金上昇率が労働生産性上昇率を長きにわたって大きく上回ったことはなく、 労働生産性が上がっていない今の環境では持続的な賃金・物価の上昇は実現しないと見られています。
⸜︎⸝今週の話題⸜︎⸝
◆9割の投資家が予想するスタグフレーションとは
【解説】
バンク・オブ・アメリカの公表した機関投資家調査では現金比率が高止まりするなど、慎重姿勢が目立ちます。
9割の投資家は2023年にスタグフレーションに陥ると想定しており短期的な景気後退懸念が高まっています。
【ポイント】
スタグフレーション(インフレと景気後退が併存)の環境下では現金価値が下落するため資産運用がより重要 となります。
不景気に強い不動産投資や大きく下落したタイミングで株式を買い付ける事が有効と言われます
【今後の影響】
日本では10月のインフレ指数が40年8か月ぶりの伸びとなっており今後もしばらく継続すると見られています。 賃金上昇の起きにくい日本では特にスタグフレーションが生活費圧迫に繋がりやすく、対策は必須となります。